声楽と縫製の共通点?

声楽と縫製の共通点?

毎年、竹田市で開催される「瀧廉太郎記念全日本高等学校声楽コンクール」。

全国から声楽をこころざす高校生が集まる登竜門的なコンクールです。

このコンクールに出場したことのある若手声楽家有志によるグループ「コンツァートKOJO」のコンサートが1月14日にグランツたけたでありました。

コンツァートKOJOは、2012年の水害で、グランツたけたの前身である古い文化会館が浸水するなど、竹田市が大きな被害を受けたときに結成、チャリティコンサートを開催して、その収益を竹田市に寄付してくださった暖かいグループです。

今回のコンサートは第一部は瀧廉太郎作品、第二部はオペラなど世界の有名曲という構成でした。第一部は「荒城の月」「箱根八里」「花」といった瀧先生の代表作、コンクールの課題曲でも歌われる「納涼」「月」「荒磯」のほかにも、「春の野」といったあまり知られていない編曲作品や、幼稚園唱歌などが歌われました。作品が作られた頃の大分には実はピアノが一台もなかったという史実から、伴奏にリードオルガンを取り入れた曲もありました。

第二部はカルメンから「ハバネラ」、蝶々夫人から「ある晴れた日に」など、オペラの有名曲が次々登場するステージでした。出演者のみなさんは、役柄の演技もまじえた歌唱で、1曲ずつ、ガラリと変わる世界観に引き込まれました。きっと実際のオペラの舞台でも、今やこのように立派に活躍されているのでしょう。かつては高校の制服姿で初々しくコンクールに参加されていたことを思うと、とても嬉しく、元気をもらえました。

全曲に字幕や素敵なプロジェクトマッピングの投影もありました

コンサートから自分の仕事に戻り、ふと思ったのは、声楽の歌い手と楽譜の関係についてです。縫製にも型紙や仕様書(使用する生地や糸の品番や、縫製にあたっての注意点が細かく指示書きされている)というものがありますが、その関係と同じなのだろうか?と。

声楽も、縫製も、どちらも作曲者やデザイナーの意図がまず第一で、それを忠実に表現する技術が求められるのは共有点だと思います。でも声楽の場合は、歌い手ならではの個性も、魅力の大きな要素ですね。縫製の場合は、縫う人の個性に光が当たることはほぼないので、ちょっと羨ましい気持ちになりました…。

縫製工場の場合は、指揮者のもと、複数のメンバー皆で作りあげていく合唱やオーケストラのほうが共通点が多そうです。指揮者によって、団全体で個性を醸すのですね。

技術とともに竹田被服としての個性も感じてもらえるような製品作りをしていけたらいいな、そのためにはどうしたらいいのかな…?と考えています。

写真提供: Konzert KOJO